自分らしさを思う 50代女性 I さん

かつての同僚 I さんに「青い鳥のロンド」のレヴューをいただきました。 I さんは何があってもへこたれず、いつも明るい方を向いて、解決策を見出して前に進む、根性のある女性でした。今も現役でフルタイムの仕事をこなす、50代後半に入った彼女のレヴューです。


「青い鳥のロンド」 読みました。
私も今まで33年勤めてきて、仕事と家事と子育てについて考えてきました。今は子どもはみんな就職し、孫もできて、嫁に夕食を作ってもらう環境です。子育て中に比べれば楽になったはずなのですが、年齢とともに体力は減退し、逆に職場での役職は上がり、今はこの過酷な場所で人間関係に疲れています。
実は昨日は熱でお休みをもらって寝ていたので、きょうは静養を兼ねて本を読ませてもらったというわけです。

読み通して、自分らしく働く意義を考えてしまいました。変な責任に押しつぶされている今の自分を思います。そしてその、「自分らしさ」というものがまた、よく分からないのです。 33年間、よく頑張ってきたとは思います。仕事と家事と育児の間を駆け抜けてきて、それぞれをなんとか回せて来られて、それぞれがなんとか収まるところに収まってくれて、けれど、何となく達成感が乏しいような気がするのです。
私は私らしく生きてきたのだろうか? 私は何をしようとしてここまで来たのだろうか? 何がしたかったのだろうか? と。

本とあまり関係のない、自分の話になってしまいましたね。
でもとにかく、この本は、幸せについて考える機会になりました。自分自身、夫、孫、嫁、それぞれの幸せというものを思いました。




I さん、ありがとうございました。ほんとうに過酷な、戦場を駆け抜けるような生活でしたよね。早くにリタイアした私から見ると、あなたの頑張りは驚異的です。あなたの33年に及ぶ頑張りに、心から敬意を表します。


「青い鳥のロンド」 緋野晴子著 (リトル・ガリヴァー社)

* 全国書店でお求めいただけます。(店頭にない場合は書店にご注文ください)
 楽天ブックス・Amazon 等ネット書店にもございます。
* 庶民の味方、図書館でリクエストして、購入していただくこともできます。
スポンサーサイト

小説の森で - 9.誰に向かって書くのか?


「青い鳥のロンド」は、読者の感想にずいぶん差のある小説だった。感想に差があること自体は悪いことではないと思う。それは作品の幅というものでもある。
けれど、作者緋野の意図した肝心なものは、読む人すべてに伝わっていただろうか? 緋野の魂はすべての読み手に届いていただろうか? 届いた上での感想の幅だったろうか? 
・・・否である。
ではそれは、表現の拙さによるものだったろうか? 
・・・半分はそうかもしれない。が、半分は否だと思う。
それは恐らくこの作品が、女性の心理を主として描いていることに起因していると思われる。男性には共感できる心理的体験がないのだ。のみならず共感したくないという心理の働く男性も少なくないのかもしれない。真の幸福を求める女性の心理は、男性にとっては関心の薄い、あるいは耳の痛い、ひいては都合の悪いものなのかもしれない。
この作品は男女を含めた幸福を追求したもので、そんな偏狭なものではないのだけれど。


いずれにしても、「青い鳥のロンド」は、読者を選ぶ小説だ。
小説が読者を選ぶ・・・
ここで緋野が考えてしまうのは、「私は誰に向かって書いたのだったろう?」ということだ。


 小説は独白ではない。独白なら大学ノートにでも書きつけておけばいい。小説を書くということは、意図的に現実そのものとは別の世界を創り出すということであり、なぜそうするかと言えば、そこに誰かを招き入れたいから、つまり、読者を求めるということだ。
 
 作者は、この混沌たる世界の中から、自分だけが感じ取った主観的な世界を、一枚の透明なスクリーンのように漉しとって、小説という文章の中に展開する。自分というフィルターを通して整理・象徴された世界の中に生きてみようとするのだ。
だから、最初にその世界に招き入れられるのは、作者自身ということになる。

けれども、それだけでは終わらない。描かれた世界は独白と違って、必ず他の訪問者を、より多くの訪問者を求めるものだ。それは、「誰かの魂と繋がりたい」という、小説に潜んだ人間の根本的な欲望による。
 それならば、その訪問者は誰でもいいのだろうか? 多ければ多いほど? 

 確かに門戸はすべての人に向かって開けているし、総じて作者には、世界をこんなふうに見ている者がいるということを、より多くの人に知ってもらいたいという欲求があるだろう。
「青い鳥のロンド」の場合で言えば、緋野には、女性はもちろん男性たちにも広く読んでもらい、人間としての幸福・家族の幸福・日本社会の将来について、共に考えてもらいたいという願望があった。出版費用をカバーできるだけの多くの人に読んでもらえないと困るという切実な思いもあった。
それでも、よくよく心の奥を探ってみると、結局のところ、私がほんとうに自分の世界に招き入れたいと望んでいたのは、自分に似た魂を持つ誰かだったのだということに気がつく。私は、男性でも女性でもとにかく、魂の通う相手を探していたのだなあと。
それは私以外の作者でも、たぶん同じことだろうと思う。

 だから、作者は誰に向かって書くのかといえば、それは男だ、女だ、何十代だということではなく、不特定多数の、あるいは不特定少数の、魂の通う誰かなのだ。
ということはつまり、作者としては、ひたすら自己の世界を芸術的に描き出すことに専念すればいいということになる。
 
 特定の読者を念頭に置き、その読者層にアピールするように書くなどということを考え始めると、小説は駄目になるような気がする。緋野は一時期、人に読んでもらうからには誰に向かって書くのかを意識しなければいけない、そういうことにも敏感にならなければならないと思った時期があった。けれども、それは間違いだ。書くときは、あくまで、徹底的に、自分自身を発信することだ。
そうすれば、小説が自ずと読者を選んでくれる。その選ぶに任せればいい。 なべての人々の魂を呼び込む場合もあれば、片寄る場合もある。それでいいというのが、緋野の結論だ。

 ただし、どんな人が読者さんになってくれるだろうか? ということは一考の余地があると思う。緋野は「沙羅と明日香の夏」を書いた時、中高生にも読めるようにと、漢字その他の表記にずいぶん気を配った。読者を想像してみて多少の表記を変更することは、自分の世界に人を招き入れる者として、必要なように思う。
 
 ちなみに、文学賞の求めるものを意識して書くというもの、言わせてもらえば邪道だと思う。文壇は、作家という職業を生業にしている人たちのギルド社会だから、そこで目を引くのは、新鮮な素材・新しい技法・珍しい文体・斬新な構想・細工のかかったプロット等。
けれども、そこから入って捏ねくった小説は、生きた小説にはならない。
あくまで自分の内から突き上げてくるものを、どう展開すれば小説世界の中に完璧に描けるか、そのための表現方法を探るべきだと、私は思う。

え!楽天も売り切れ? 小説「青い鳥のロンド」

8月に入って身辺が俄かに慌ただしくなり、パソコンに向かえないまま日々が過ぎていきました。
今日こそは 「小説の森で」 記事を書こうと思い、その前にいつもの習慣でチラッとネット書店を覗いてみると、あらら? 「あと在庫3冊」となっていた楽天ブックスが、「メーカー取り寄せ」になっているではありませんか! ですので、急遽、記事変更です。

ネット書店に返本はない(買取)と聞いています。ということは、売れた?んですよね。
以前、「楽天で買ったよ」という報告をいただいたのがお一人、その後、在庫数の減少1を確認しましたので、つまり楽天在庫分合計5冊が完売されたということですよね。
ばんざ~い!

たった5冊売れたくらいで何を大袈裟な、と思われるかもしれませんが、本はなかなか売れないんですよ。一般の書店と違って買取で置いてくださるネット書店です。置いていただいているのを見ると、著者としては有難くも思い、また、売れていかないと申し訳なくも思うものです。
ですから完売されたということは、ネット書店さんに少額ではあっても確かに利益を上げていただいたということであり、また、「青い鳥のロンド」の読者さんが確実に5人増えたということでもあって、1000人の読者さんを目指している緋野のような書き手にとっては、十分万歳に値するのです。

他に何の宣伝もしていませんので、このブログでの紹介や、読者さんたちのレヴューを見てくださった方たちだろうと思います。
買ってくださった3人の方々、ありがとうございました。そして、レビューをくださった方々も、ありがとうございました。皆様のお陰です。

まだ以下のネット書店には在庫があり、すぐに発送してくれるようです。

 Amazon  BookFan  DMM.COM  (送料無料)

 紀伊国屋 BookWeb  honto  e-hon  セブンネットショッピング  ヤマダモール
   (会員になっているとか、配送方法とかの選択によっては、送料無料かもしれません)

 もちろん 楽天ブックス に注文することもできます。時間は少しかかるかもしれませんが。

ネット書店の良さは手軽に早く手に入ることです。
皆さまもお盆の旅路のお伴に、「青い鳥のロンド」 はいかがでしょうか? (と、すぐに宣伝する緋野です。笑  ・・・ だって、1000人の読者さんには、まだまだ遠いのですもの。頑張らなくちゃ。)



「青い鳥のロンド」 緋野晴子著(リトル・ガリヴァー社) 

      ほんとうに幸せなのは誰なのか?

           幸せの条件とは何か?     青い鳥はいるのか?
                    
就職氷河期の中でなんとか思いどおりの道を切り開き、仕事も結婚も手に入れた4人の勝ち組女たち。 夢を追う菜摘子を取り巻く人々、ある日忽然と現れた栄の魔女と夢子さん。30歳を迎えた彼女たちを待っていたものは・・・。
今を生きる男女に、幸福の真の意味を問う現代小説。 
                        (舞台は 名古屋市 栄)                              
                                                                                      

                 あなたは青い鳥が見えますか?

「一番好きだった人と、幸せの奪い合いをしている」菜摘子

「心の震えは何物にも代え難いわ。ああ、生きているって思う」百音

「他の人たちにも何か不幸があったらいいのに……」夢子

「何だかんだ言っても、私たちはそれでも勝ち組なのよね」翔子

「オマエは空っぽだって、喉の奥から嫌な声を出して笑うの」 麗

「フッ、フッ、夢は掴んだとたんに消えてなくなるシャボン玉」栄の魔女

「暗闇の中で、君と僕のことを想って泣いた」 護 



青い鳥のロンド


以下の書店で平積みされましたが、そろそろ無いところが出てきたかもしれません。

   名古屋  三洋堂書店 (込中 店)(塩釜店)  
          ジュンク堂(名古屋店) 

          本の王国(中日書店)  ちくさ正文館書店(本店)  
          ライブラリー大曽根店

   豊  橋  豊川堂 (本店) (カルミア店) (アピタ向山店)

          精文館 (本店)

   豊   川  あおい書店 

   豊   田  くまざわ書店

   刈   谷    くまざわ書店

   知   立  夢屋書店

   高   浜  三洋堂書店 

   新  城  夢屋書店(ピアゴ店)



プロフィール

hinoharuko

Author:hinoharuko
銀河の旅人セイラです。私の見た地球人の姿と、それを描いた小説をめぐって、気ままなお話をしていきます。
私の本のご紹介・・・① 「たった一つの抱擁」(文藝書房)…この星の男女(夫婦)の不可解な生態を描き出した作品。 ② 「沙羅と明日香の夏」(リトル・ガリヴァー社)…神秘の奥三河を舞台にした、二人の少女のひと夏の経験。生きることの深奥を見つめた青春小説。(東愛知新聞社主催「ちぎり文学奨励賞」受賞)

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード