恵み

クリスマスが近づいています。

街がイルミネーションで飾られて、人々がなんとなくソワソワし始めたように

見えるこの時期になると、子どもの頃を思い出します。一年で一番好きな行

事がクリスマスでした。


私の家の周りにはイルミネーションなどなく、もらえるプレゼントは赤い長靴

に入ったお菓子と決まっていましたが、北風が木の葉をみんな吹き飛ばし、

空が白っぽくなって、年末の話題が大人たちの口にのぼり始めると、私はも

うクリスマスを想ってワクワクするのでした。

クリスマスの夜に雪が降らないかなあと、そればかりをひたすら願っていま

した。なぜって、雪は神様の恵みのように思えたからです。サンタクロースは

その雪の中を橇を蹴ってやって来るのですから、クリスマスに雪が降らない

というのは、プレゼントをもらえても、なんだかインチキくさくてがっかりで

す。神様の愛が足りないような気がしました。

私の住んでいる地方は雪が少ないので、毎年たいていがっかりしていたの

ですが、それでも毎年、今年こそはと期待してしまうのです。

雪が降った年のクリスマスの幸せ感といったらありませんでした。夜中に何

度も外へ出て、チラチラと落ちてくる儚い雪を手のひらに受け止めたもので

す。神様からのメッセージのような気がしました。

私は何の宗教も持たない人間ですが、今でも雪の中に立っていると、この世

界に抱き取られ、生かされているような想いがしてきて胸が一杯になります。

冷たい雪に、恵みのような温かさを感じるというのは、変わった人間かもしれ

ませんけど。


私にとって今年一番の恵みは何だったでしょう。

それはやはり、次男の健康です。何度も危機のあった昨年に比べると、ほん

とうに良くなりました。仕事は相変わらず忙しくて疲れるようですが、危なげな

くこなしています。この大きな恵みが、今年のサンタさんのプレゼントでしょ

う。来年はいよいよ婚活かな? と密かに考えている母です。


もうすぐ来ます、クリスマス。金曜日から寒波が来ると天気予報で言っていま

した。今年こそ、雪が降るんじゃないかな? 

ワクワク、ソワソワしてきましたよ。

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友を想う

霧雨に濡れる神社の森を眺めながら、ブログの友人を想っています。

今ごろどうしておられるのでしょうか? 何を想っていらっしゃるのでしょう?


 このブログを始めてすぐに出会って、やがて八年を迎えようとしています。様々

な思いや感想を率直に語り合ってきました。時に、共に詠い、呼応の詩歌を交わ

し合ったりもしました。とても密度の濃い時間でした。

その友人からは、たくさんの心に響く言葉を聞かせていただき、何人もの素晴らし

い魂に出会わせてもいただきました。ほんとうに読み巧者で、私の表現しようとし

たものをすべて理解してくださいました。だから私は、自分の信じる小説を真っ直

ぐに書いてこられたのだと思います。

 その友人の声が聞こえなくなりました。しばらくじっと待っていましたが、このと

ころずっとお姿が見えません。

私は更新されていない友人のブログへ行って、過去記事を何度も読み返しました。

そのうちのひとつに、友人の描いた森の絵があります。一番好きだとおっしゃって

いた絵です。ご自分の思いを受け止めてくれた絵であるとも。素晴らしい絵です。

どうしたらこんなふうに描けるのかと思うような。

でも、私は、ほんとうのことを言うと、少し好きになれない気がしました。

そこは、靜かな、靜かな、森です。とても、とても、深い森です。清らかで、本当の

ものしかない森です。そこにはきっと、「ここだよ」という木霊の声がするのでしょ

う。けれどそこは、誰もいそうもないような、寂しい、寂しい、森なのです。

 私の友人はきっと、老いの重荷を一人で抱えて、その森に入って行ってしまわ

れたのです。できることならもう一度呼び戻して、私はもう一度、哲学する孤独な

ライオンのようにポツポツと語る、友人のあの優しい声に耳を傾けたいのです。

でも、もう声は、届かなくなってしまいました。春になったら、また森の中から出て

きてくれるでしょうか?


 厚く雲をためた白い空に、かつて友人の詠んだ、あの句が浮かんできます。

      探りても 隠れん坊する 鬼ひとり

友よ、あなただけの森が、あなたにとって、どうか穏やかで優しい、居心地のいい

森でありますように。    

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近刊「青い鳥のロンド」のご紹介

緋野晴子の新作 「青い鳥のロンド」 が近々発売の予定です。

きょうはその中の「あとがき」を掲載しますので、内容をご想像ください。


     ***** 「青い鳥のロンド」 あとがき ***** 


 この地に人類が誕生してから今日まで、人々はより幸福な生活を求めて長い旅を

してきました。けれどその旅の過程はけっして平坦なものではなく、紆余曲折、迷

走を繰り返してきたと言っても過言ではないかもしれません。私たちは今、いった

いどれくらい幸せになったのでしょうか? 

 国力をはかる指標として、GDPと並んで、ブータン発祥のGNH(国民総幸福

量)が取り上げられるようになり、国連では毎年、世界幸福度ランキングが発表さ

れています。それによると、2015年における日本の順位は46位で、経済指標で

あるGDPの3位に比べると、はるかに低いことが分かります。ちなみに上位5位を

占めているのは、スイス・アイスランド・デンマーク・ノルウェー・カナダです。

 また一方で、日本の自殺者は年間24000人以上(世界18位・高所得国では4

位)という調査結果もあり、先進国と呼ばれる国に住んでいるにしては、残念なが

ら、日本人の幸福度はけっして高くないのが現状のようです。

 先進国間の比較では、女性の社会進出の低さが目立ち、そのため日本は今、男

女共同参画社会を目指そうとしています。それは目標としては、一見いいように見

えます。しかし、問題は中身です。実際には、女性の就労や正社員化を促すことと、

女性管理職の数を単純に増やすことのみに向かっていて、そこに大きな疑問符を

つけざるを得ません。働く女性や管理職に就く女性が増えれば、それで私たちは文

化国家としてほんとうに幸せに近づくのでしょうか?

幸福感に関する調査の一つとして、世界価値観調査というものがあります。それに

よると、女性の社会進出が遅れていると言われる日本で、女性のほうが男性よりも

幸福感が高いという結果が出ているのです。しかもその男女差は世界一だそうで、

それには私も驚かされました。さらに細かく見ると、正規雇用男性の幸福感が世界

の中でかなり低く、そこに職業の種類による違いは見られませんでした。そしてそれ

以上に低いのが、正規雇用女性の幸福感です。専門職と自営業を除いては、最も

低いという結果が出ています。

 こう眺めてみますと、私たちが真に幸福に向かっていくには、単に女性を社会に押

し出せばいいという問題ではないことが見えてきます。また、外的要因から見た幸福

度と、個人の感じる幸福感にもずれがあることが分かります。私たちは立ち止まっ

て、人間にとって幸福とはいったいどういうものなのかを、各人がもっと考えてみる

必要があるのではないでしょうか?

 私はこの小説を書くことを通して、国民総幸福量の検査項目では詳らかにできな

い、そういう社会的固定観念の中には収まりきらない、もっと根本的な幸福の姿の

追究を試みました。

 青い鳥のほんとうの姿を知ることが、長い間、私自身の課題となっていましたが、

それは難しいテーマで、考えれば考えるほど、答えは闇の奥に遠のいていくようで

した。ようやく答えらしきものの姿がぼんやり見え始めたと思っても、それを小説の

中に書き留めようとしてみると、答えはまた、奇しくも茫洋と闇の中に帰散していく

ばかりです。 それでも飽かず、登場人物たちとともに答えを探し求める心の旅を

しているうちに、どうやら、幸福のための三種の神器と呼べそうなものに辿り着き

ました。やっとそれらしいものの姿が見えたのです。

 ところで読者の皆様は、この小説の中から、私の見た三種の神器と同じものを発

見されるでしょうか? いいえ、私はそうは思いません。皆様がどんな青い鳥の姿

を見つけられるか、それはおそらく、各人各様であろうと、著者の私は想像します。

例えば小説に登場する夢子さんを、ほんとうは幸せではないのに、幸せだと思いこ

もうとしている人だと見られる方もおられれば、否、彼女はほんとうに幸せなのだと

思われる方もおられるでしょう。栄の魔女についても、四人の女性たちについても、

男性たちについても、様々な見方がなされることと思います。

それでいいのです。そういうふうにこの小説の中を旅してください。その旅の過程を

通して読者の皆様はきっと、ご自身の青い鳥の姿を心に描き出されることでしょう。

 ひょっとして、私の見た青い鳥の姿を、いっしょに眺めてくださる方がおられるかも

しれません。そうであれば、それはそれで無上の喜びとするところではありますが、

そうでなくとも構いません。この小説の中から青い鳥の様々な貌を探し出し、読者の

皆様ご自身の幸福と、真に幸福な社会の探求のために、その踏み台としていただけ

ましたら幸いです。

           *******************



以上、原文のままです。興味を持っていただけましたでしょうか。事情あって、発売

前ですが、予約を集めています。理由は前記事をお読みくださ

い。

       本代(予約20%引き)+税+送料 = 1600円以内 です。

ご予約いただけます方は、非公開コメントで、お名前・〒・ご住所をお教えくだ

さい。お言葉と住所等のコメントは2つに分けていただき、こちらで確認しだい、

住所等のほうは削除させていただきます。それでも不安な方は、そうおっしゃっ

てください。私のメルアドをお教えしますので、そちらにお願いします。

(出版が叶いましたら、出版社より郵送されます。代金は同封の振り込み票で)

メジャーな賞を取っていないアマチュアの出版はほんとうに厳しいものですが、

1000人の読者さんを目指して、なんとか3冊めまでやってきました。第2作めは

私の把握できました限りでは546人でした。まだまだ遠い道のりですが、頑張っ

ています。この3作目が無事に出版できますよう、皆様のご支援をお願い申し上

げます。


                         ( 緋野晴子 拝 )

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プロフィール

hinoharuko

Author:hinoharuko
銀河の旅人セイラです。私の見た地球人の姿と、それを描いた小説をめぐって、気ままなお話をしていきます。
私の本のご紹介・・・① 「たった一つの抱擁」(文藝書房)…この星の男女(夫婦)の不可解な生態を描き出した作品。 ② 「沙羅と明日香の夏」(リトル・ガリヴァー社)…神秘の奥三河を舞台にした、二人の少女のひと夏の経験。生きることの深奥を見つめた青春小説。(東愛知新聞社主催「ちぎり文学奨励賞」受賞)

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